角膜感染症から、瞳を守ろう!
最近、増加している角膜感染症。
ある調査では、10代、20代の角膜感染症患者の約90%がコンタクトレンズ装用者(グラフI)であり、そのうち約70%もの人がソフトレンズを使用(グラフII)している、という結果が出ています。
便利な使い捨てタイプが登場し、気軽にソフトレンズが使えるようになった反面、装用時間・装用期間やケア方法が守られていないといった、誤使用が角膜感染症につながっていると考えられます。
このページでは、とくにソフトレンズを使用している方々に知っていただきたい情報をまとめました。
角膜感染症から、あなたの瞳をしっかりと守りましょう。
原因は、身近にいる雑菌!
角膜はとってもデリケート。
黒目の表面を覆っている透明の膜が、ものを見るときに重要な働きをする「角膜」です。
角膜は大気中から涙を通して酸素を取り入れていますが、酸素透過性の低いレンズを装用すると酸素不足におちいり、正常な機能を果たせなくなります。
ふたつの条件が重なって、発症。
角膜感染症になると、目の痛み、ゴロゴロとした異物感、充血、涙、まぶたの腫れなどの症状が現れます。
さらに進むと角膜が白くにごって視力が低下し、正しく治療しなければ、ひどい場合は失明してしまうことも。
そもそも角膜感染症が発症するのは、「角膜のバリア機能が低下」「目に雑菌を持ち込み、増殖する」という条件が重なったとき。角膜感染症の予防には、このふたつを防ぐことが大切です。
正しいレンズケアで、雑菌を目に持ち込まない!増やさない!
汚れも雑菌も落とすのが、正しいケア。
目に雑菌を持ち込まないためには、毎日のレンズケアがとっても大切。とくにソフトレンズは素材に水を含んでいるので、雑菌が繁殖しやすいのです。
だから、こすり洗いなど正しいレンズケアを行うと、汚れだけでなく雑菌も洗い流すことで、感染のリスクをグッと減らすことができます。
間違ったレンズケアをしていませんか?
こすり洗いやすすぎをしないと…。
目からはずした後「こすり洗い+すすぎ」「すすぎのみ」「こすり洗いなし・すすぎなし」を想定した条件のレンズをMPSを満たしたレンズケースに入れて4時間消毒し、ケース内の生存菌※の数を調べたところ、「こすり洗い+すすぎ」では生存菌は検出されませんでしたが、「すすぎ」「こすり洗いなし・すすぎなし」では生存菌が残っていました。「こすり洗い+すすぎ」をしないと十分な消毒効果が得られないことが分かります。
※消毒されずに生き残っている菌のこと。
出典:第51回日本コンタクトレンズ学会における愛媛大学 宇野敏彦先生の発表内容を改変
MPS※をつぎ足す・交換しない
MPSをつぎ足しながら使ったり、交換しなかったりすると、レンズの消毒が十分にできません。その上、雑菌がレンズケース内にバイオフィルムという膜をつくり、増殖しやすくなります。MPSを毎回交換し、ケースも洗浄し乾燥させ、清潔に保つことが重要です。
※MPS(マルチパーパスソリューション)とは最近では主流の、洗浄・すすぎ・消毒・保存が1本でできるソフトレンズ用ケア用品です。
正しいレンズケアをおさらいしましょう。
毎日のレンズケア、自分流になっていませんか?
ここで正しいケア方法をおさらいして、いつもキレイなレンズを使いましょう!